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資金繰り管理表【平阪 靖規】

中小企業にとって黒字であることはとても重要ですが、単純に利益が出ていればよいということはありません。「黒字倒産」という言葉があるように、黒字でも倒産する場合があるからです。では、黒字倒産はなぜ発生するのでしょうか。理由はキャッシュ、つまり現金が不足してしまうからです。

具体的には下記のイメージです。(話を簡単にするために単純な例で説明致します。)

 

資金繰り管理票

 

この会社は、20XX/06/01に100円の品物Aを掛け(料金後払い)で仕入れました。そして、20XX/06/15に120円で品物Aを掛けで販売致しました。この時点で、(粗)利益は20円です。この数字だけを見れば黒字です。ですが、この話には続きがあります。品物Aは、20XX/06/15に売上ましたが、実際に売上げた120円のお金(キャッシュ)はまだ手元にありません。(20XX/07/30に入金される予定になっています。) すると、20XX/07/01に買掛金100円を支払う日が来てしまいました。この時に100円の現金がなければ・・・支払う資金がありませんので、この会社は黒字ながら資金ショートを起こしてしまい、場合によっては倒産となってしまいます。

この例は非常に単純な例ではありますが、実際の中小企業の現場ではこのような事態がよく見受けられます。そのために、経営者の方々は自社の利益を管理するだけでなく現金つまりキャッシュの流れをしっかりと把握しておく必要があります。

そのために利用するツールが、「資金繰り管理表」です。下記に、実際の支援で利用した「資金繰り管理表」を紹介致します。(数字について一部編集しています。)

 

収支

 

資金繰り管理表は特に決まったフォーマットはありませんので、各企業に応じて必要な項目を作成することになります。そして、ここで注意すべきは、資金繰り管理表は実際に現金が入ってくるタイミングを記述する点になります。今回サンプルとして提示した企業様は、現金商売をする企業でしたので、売上とキャッシュイン(実際に現金が手元に入ってくる状態)が一致していました。しかし、企業の特性(掛け販売を実施している等)により売上とキャッシュインがずれる場合もあります(支払いも同様です)ので、その点はご注意ください。資金繰り管理表で扱うべきは、実際の現金の流れになります。

このように現金の流れをしっかり把握しておくことにより、企業活動において現金の不足が起きないか、もし現金が不足する場合は何らかの対策を実施できないかといったアクションを事前に素早くおこすことが出来るようになります。

資金繰り管理表をまだ作られていない企業は、自社の現金の流れを把握するためにも一度作成することを勧めます。

 

【平阪 靖規・企業内診断士】

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