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日本の中小企業によるベトナム投資【古賀 克之】
日本からベトナムへの直接投資は活発で、しかも中小企業による投資が進んでいるらしい。
【海外情報レポート】過去最高の件数を更新した2012年の日本企業の投資(ベトナム) – 日本商工会議所
投資件数が3年連続増加したのに対して、投資1件あたりの投資金額では3年連続で前年を下回っているが、これは中小企業によるベトナム投資が進んでいることによると考えられる。
ホーチミンでは、街中で多くの外国人(観光客、出張者、居住者)を目にする。800万人を超える人口を有する巨大な国際都市であり、商業も活発である。外国資本の飲食チェーン店やブランド品も溢れている。観光やバカンスでの短期滞在であれば、ベトナムが一党独裁体制の社会主義国であることを実感する機会はほとんど無かった。
しかし、こちらでビジネスしようとすると、一党独裁による負の側面や商習慣の違いに直面することになる。日本での経験や常識が通用しないことも非常に多い。
例えば、ベトナム語の書類の冒頭で良く目にする以下の文章。
これはベトナム語で「ベトナム社会主義共和国 / 独立 – 自由 – 幸福」と書かれており、契約書やライセンス証など、役所が関係する書類には必須の文言なのだそうだ。他にも、スムーズにライセンスを取得するための方法から、契約書への署名や捺印の仕方まで、ほとんど毎日、こちらでのパートナー事業者やベトナム人に助けてもらってばかりである。
一方、政治体制や商習慣は違っても市場経済を取り入れていることから、経営の本質的な部分は同じである。既にベトナムに進出して市場を席巻している日本企業は多数存在するし、日系企業の仕事ぶりを目の当たりにして「日本の企業や人は基本や基礎がしっかりしている」と評価する声もある。
これからもベトナムに投資する日本の中小企業が増え、商習慣の違いなど軽く乗り越えて、ベトナム国内でその実力を発揮してくれることを願ってやまない。それはきっと、ベトナム人の若い起業家や中小事業者にとっても、大変良い刺激になるだろう。
古賀克之/Class K